Emerging Media Initiative, Kanazawa University
国立大学法人 金沢大学 学術メディア創成センター
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笠原 禎也 センター長

現在,わが国ではサイバー(仮想)空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させた新しい社会であるSociery5.0の実現が推進されています.新型コロナ感染症の発現は,ICTインフラを自在に操ることで,場所・時間を問わず,世界中の誰とでもつながれる時代が本格到来したことを,誰もが認識するきっかけとなりました.逆に言えば,このような急速なディジタル化の流れから取り残されないこと,すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は,大学の浮沈に影響する最重要課題となったわけです.

学術メディア創成センターは,2021年(令和3年)4月に総合メディア基盤センターを組織改編して誕生しました.前身の総合メディア基盤センターは,学内基幹ネットワークの整備・運用,全学情報システムの構築・運用支援,ICTを活用した教育法の開発・支援など,本学に不可欠な学内ICTインフラ整備をけん引する役割を18年間担ってきました.学術メディア創成センターでは,これらの機能を維持しつつ,全学のDX計画を戦略的に統括・推進するコア組織として体制強化がなされています.新センターは,全学DX推進を支える最先端の情報システムの設計・開発を担う「学術システム部門」と,DXを活用した先進的な教育コンテンツや教育環境の開発・整備を担う「教育メディア部門」の2部門で構成されています.さらに,次世代ディジタルコンテンツやシステム開発技術にたけた人材をコンテンツデザイナー(CD)として新たに迎え入れ,xR(VR・AR・MR)等のDX技術を駆使した教材の開発,コンテンツスタジオでの動画コンテンツの撮影・編集,作成したDXコンテンツを自在に利活用するためのシステム開発など,先進的な取り組みを展開する計画です.

「学術メディア創成センター」という名前は,従来の総合メディア基盤センターとあまり変わらない印象を受けるかもしれません.しかし新センター名には,「学術メディア」を「創成」するという重要なメッセージが込められています.それは,当センターの英語名称が「Emerging Media Initiative」と意訳されたことに強く表れています.Emerging Mediaという言葉は,国内ではまだ対訳どころか,この英単語自身が国内サイトでは見つかりません(2021年8月現在)が,あえて訳せば「新たに出現した(新興の)ディジタル技術の総称」とでも言えばよいでしょうか.すなわち,現時点でEmerging Mediaとされるモノは数年後にはもはやEmerging Mediaではなく,その時代にとって最先端のモノに置き換わって指す言葉がEmerging Mediaなのです.5年後,10年後に主流となり得る将来有望なEmerging Mediaを常に先導して創成する組織,それが「学術メディア創成センター」の名前に込められています.

一方で,急速な情報社会の発達の結果,世界中の組織が種々のサイバー攻撃の危険に日常的にさらされている事実を忘れてはなりません.ネットワークインフラはいまや水道・ガス・電気と同列に,本学の教育・研究・業務のライフラインとして,安定運用されることが大前提で,ひとたび不具合があると皆様の日常業務に多大な損失を与えます.当センターはこのような社会情勢の中,機密性の高い情報資産を守り,安全・安心に学内ICTインフラを維持・運用する活動についても,これまで通り怠りなく継続していく所存です.

新生した学術メディア創成センターはまだまだ発展途上ですが,皆様の様々なアイディアをいただきつつ,スピード感をもって発展していきたいと思います.ぜひ暖かい理解と協力をいただきますよう,今後とも,どうぞよろしくお願いいたします.

令和3年4月吉日
学術メディア創成センター
センター長  笠原 禎也